2022年07月05日暑中コンクリート|土木工事編③
今回も引き続き、
土木学会 2017年版 コンクリート標準示方書【施工編】に沿って
暑中コンクリートについて解説していきます。
※今回から打設等、お客様にご注意いただきたい内容になっております。
★コンクリートの打込みにあたっては、
コンクリートから吸水するおそれがある部分を
湿潤状態に保たなければならない。
また、直射日光を受けて高温になるおそれのある部分は、
散水、覆い等の適切な処置を施さなければならない
気温が高い場合や直射日光を受けて高温になる場合には、
地盤や木製型枠、既に打ち込まれたフレッシュコンクリート表面あるいは
硬化コンクリート表面(打継面)等は非常に乾燥しやすくなります。
乾燥は、打ち込んだコンクリートの流動性(充填性)や打重ね部における
一体性の低下(コールドジョイントの危険性)を招く可能性があるので、
散水を行うことや覆いをすること等により湿潤状態に保つ必要があります。
気温が高い時に表面を保護することなく1層目からの打ち重ね時間が空くと、
このように継ぎ目に豆板(ジャンカ)ができることが多くなります。
ただし、多量の残水はコンクリートの強度低下につながりますので、
型枠内に水がたまることがないように過度の散水は避け、打込み前に
型枠内の状態を確認して溜まった水を除去しなければなりません。
★コンクリートの打込みは、練混ぜ後
できるだけ早い時期に行わなくてはならない。
練混ぜ開始から打ち終わるまでの時間は、1.5時間以内を原則とする
暑中コンクリートでは、スランプは時間の経過に伴って
低下しやすいため、練り混ぜてから長時間経過したコンクリートは
打込みが困難になる場合があります。
一般に、練混ぜから1.5時間以内であれば、スランプの低下量も小さく、
問題なく打ち込むことができるとされています。
しかし、このような品質の変化は、気温の上昇とともに
増大する傾向にあるため、コールドジョイント等が生じないよう、
練り混ぜてからできるだけ早く連続的に打ち込むことが理想です。
標準示方書の中で、外気温が25℃を超える場合の
許容打重ね時間間隔は2.0時間以内と定められていますが、
日平均気温が25℃を超える暑中コンクリートの時期には、
この時間間隔よりも短く設定することが望ましいとされます。